飛行機で旅行に行く際に、空港の本屋に立ち寄るのが好きです。
雑誌の並べ方も良かったりするのですが、とくに平積みになってる本は狭いスペースながらキャッチーで、ちょっとした暇つぶしに良さげなボリュームで、しかもちょっとした好奇心を満たしてくれそうなセレクトが良かったりします。
セレクターの人はほんと良く分かってる。
で、この前、旅行行く前に買った本。
ハンバーガーを待つ3分間の値段—ゲームクリエーターの発想術
幻冬舎セレクト
斎藤 由多加 (著)
ゲームの「シーマン」とか「ザ・タワー」(ゲームはあんまりやらないぼくもこのゲームはむちゃくちゃハマりました。タワーを完成させた時の達成感といったら。。)のゲームデザイナーが著者で、「ほぼ日刊イトイ新聞」に連載されていた文章をまとめた本だそうです。
日本が誇るゲーム業界の人間だから発想が鮮やかなのは当然だろうと思いつつも、何かを作る出発点が「感動」からではなくて「苛立ち」からだというのは、さすがだと思いました。
フツーの人はいかに「感動」をかたちにしようと奮闘しがちだけど、すでにある「感動」をかたちにできたとしても、それは生の「感動」じゃないんですよね。途中でどうしても劣化していってしまう。
シーマンの開発の所はあらゆるUIを設計している人は読むべきだと思うし、これで1,000円ははっきり言って安いです。分厚くて高くて実践で全然役に立たない「IAなんたら」よりよっぽど面白い。
Web業界の人は、アメリカの最新ビジネスを追うのも良いんだけど、web業界よりあらゆる面で先行している日本のゲーム業界の人にもっと話を聞いてもいいんじゃないかな。とりあえず、DS liteゲットするかなー。
読み終わって思ったこと。
こういう発想って基本的には連続的でない考えの集まりだったりするのだろうけど、最近のSBMでつながってる「ブロゴスフィア」ってなんとなく膠着してきてると思う。同じようなバックグラウンドの似たようなジャンルの人が同じような記事を見て同じようなエントリーを再生産してと。予定調和な連続。それなりに、深さはあるんだろうけど。
突拍子もないジャンルの人と人が出会うような仕組みを考えないと、やせ細るのも案外早いかもしれない。この、飛行機を待つ30分間のような時間についてもうちょっと考える必要があるでしょう。